保湿剤の主成分

保湿剤は製品の水分蒸発を防ぐと共に、皮膚表面の水分の調整をして、皮膚(特に乾燥肌対策やアトピー治療)、毛髪にうるおいのあるしっとり感を与える目的で配合されています。皮膚角質層の水分量が、皮膚の健康維持や外界がらの様々な刺激からの防御機能に密接に関係し、皮膚の老化防止、うるおい、なめらかさなどの感触に大きな役割を果たしています。この角質層の水分保持は天然保湿因子と皮脂膜によってコントロールされていますが、老化もしくは外界からの刺激などで容易にその機能が低下することから、保湿剤でその保温成分を補うことは、スキンケアの大切な効能の一つです。市販の保湿剤の主成分としてはピロリドンカルボン酸、乳酸などが用いられています。また、真皮層の保湿にかかわりの深いヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸などのムコ多糖葵質は、肌になじみがよく、水分保持効果が高い原料として配合されています。最近では、プピレングリコール、ブチレングリコール、ソルビットなどの多価アルコール類が多く用いられています。これらは水分を保つ働きぱかりでなく、使用感にも大きく影響します。植物からの抽出成分も、角質層の保湿機能を補い、うるおいのある肌づくりをし、肌の恒常性維持に有効なことから広く配合されているようです。何でもそうですが、100%誰が使用しても安全な保湿剤はありません。アトピーでない人でも、たとえば調味料として使っている塩が、病気によっては毒になります。ですから意識しながらのケアでサインを見逃さないようにしましょう。保湿剤は根本的にアトピーを完治させるモノではありません。炎症を抑えるモノでもありません。乾燥肌の皮膚に潤いを与え、外的刺激から皮膚を守りかゆみを防ぐための種類の一時的な治療のひとつだということをよく理解して下さい。

保湿剤の種類

保湿剤の主成分のひとつにセラミドという成分がありますが、セラミドなら敏感肌でも乾燥肌にも使えます。皮膚の保湿成分には、皮膚の角化層の角質細胞中の保湿成分(いわゆる天然保湿成分)と、角質細胞と角質細胞の間の細胞間基質中の保湿成分があります。例えば、尿素は角質細胞中の天然保湿成分のひとつです。セラミドは、細胞間基質中の保湿成分の主成分です。セラミドに注目したのは、皮膚科の臨床現場で小児のアトピー性皮膚炎の治療に取り組んでいる臨床医です。保湿剤のうち医薬品になっているケラチナミンは皮膚の刺激性が強くて使えないし、ヒルロイドは出血を増す可能性があるので、掻き壊した部分には使えないし、何かよいものがないかと探していました。その後の研究で、健康人の角化層の成分との比較で、アトピー性皮膚炎の人の角化層では、細胞間基質中のセラミドの含有量が低下していることが判明しました。もともとの皮膚の角化層に含まれている成分が低下しているなら、それを外から補えば治療効果が上がる可能性があると考えられ、研究が始まりました。さらに研究が進むと、アトピー性皮膚炎では、セラミドを作る酵素の活性が落ちているためにセラミドがうまく合成できないこともわかりました。セラミドは、非常に肌が敏感なアトピー性皮膚炎の人でも使用できるので、いわゆる敏感肌の人でも安心してスキンケアとして使うことができます。市販のセラミド含有の保湿剤を薬局、薬店で購入できるものととしては、薬用AKマイルドローション(クリーム)、キュレルがあります。なお、現在のところ、セラミド含有の保湿剤は医薬品になっていないので、健康保険を使って、外来診療で処方することができません。そのため、セラミド含有の保湿剤を病院内の売店で購入できるよう、一部の病院では外来患者のために便宜をはかっています。

保湿剤の使用法

保湿剤はスキンケアや乾燥肌などの表面的なものばかりではありません。例えば、口腔乾燥症は高齢者や介護を必要としている人に多く見られる症状で、食べることや飲み込む機能が低下したり、会話がしにくくなったり、入れ歯が合わなくなったりと、高齢者のQOLを低下させてしまいます。口腔乾燥がみられる場合、保湿剤を塗布し水分を補給することに加え、口腔内を清潔に保つことが重要になってきます。保湿剤は、口の中を潤し痛みや乾きを緩和してくれます。また、乾燥によって義歯が合わなくなるというケースがよく見られますが、保湿剤を義歯の内面に塗ることで解消できます。口腔内が乾燥するということは、単に口の中が渇くということだけでなく多くの弊害があるので、保湿剤を使って常に口の中を潤すように心がけましょう。また、保湿剤をなかなか塗らせてくれない赤ちゃんには、保湿タイプの入浴剤でケアをするのもおすすめですね、それと出来れば赤ちゃんには保温作用のない入浴剤がよいでしょう。

2010年03月09日のありがたい言葉
もろもろの事物のうえに張られた成長する輪の中で、私は自分の生を生きている。おそらく私は最後の輪を完成させることは出来まい。だが、私はそれを試みたいと思っている。byリルケ
20:11:10最終更新